お風呂でAWS認定試験を受けて合格した話

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目次

はじめに

AWS認定試験を自宅のお風呂で受験して無事に合格することができました!
自宅受験は便利ですが、そんなスペースが中々ない、いざ問題が起きたら怖いから躊躇している、という方は多いのではないでしょうか。

そこで、今回はこれから自宅受験を考えている方々の参考になるように予約から試験当日までの流れやお風呂で受けてみて分かったうまみ・つらみ、注意点などを書いていこうと思います。

ちなみに今回、私が受けた試験はDOP(DevOps Engineer - Professional)です。

DOPってどんな試験?

AWS認定試験の中でも最難関と言われる「SAP (AWS 認定ソリューションアーキテクト – プロフェッショナル)」と並んで難しい試験と言われています。
そして何と言っても3時間というタフな試験になりますので、体力と気力が求められます!
(この辺がつらみに繋がってくるわけですが・・・つらみのコーナーで後述します)

試験の詳細は公式ページの「AWS 認定 DevOps エンジニア – プロフェッショナル」に載っていますので、参考にしてみてください。

ちなみにAWS認定試験の合格体験記も以下の記事で書いていますので、興味がある方はそちらもぜひ覗いてみてくださいね!

受験のきっかけ

AWS認定試験の自宅受験キャンペーンがきっかけです。
自宅受験する場合、1回目で不合格でも2回目は無料で受けられるという太っ腹なキャンペーンです。
ちょうどDOPを受けるつもりだったので、良いタイミングだと思いオンラインで予約をしてみました。

キャンペーンの詳細:
https://pages.awscloud.com/Global_TrainCert_Japan_Online_Proctoringja.html

試験予約から合格までの流れ

以下のような流れで合格まで辿り着きました。

  • 事前準備
    • ピアソンVUEで予約
    • 試験環境の準備
  • 当日
    • OnVUEにて試験にチェックイン
    • 問題を解く

それぞれどんなことをやったのか、順に説明していきます。
もうオンライン予約は慣れてるから大丈夫!という方は「試験環境の準備」まですっ飛ばしていただいてもOKです。

ピアソンVUEで予約

今回はピアソンVUEから自宅受験の予約をしました。
自宅受験自体はピアソンVUEとPSIのどちらでも可能なのですが、先述したAWSのキャンペーンではピアソンVUEでの受験が前提となっています。

ちなみにピアソンVUEでは試験官とのやり取りに日本語が選択可能ですが、PSIでは英語のみとなっています。(2021/05/24現在)

予約方法
以下、実際に予約した際の手順を紹介します。

まずはAWS認定ページにサインインします。
受験にはAWS認定用のアカウントが必要になりますので、まだ持っていない方はリンク先の案内に従ってアカウントを開設しておきましょう。
(今回はアカウントの開設方法は割愛します)

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AWS認定ページ


サインインできたら、右下の方にある「ピアソンVUE 試験の管理」を押します。

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Peason VUE 試験の管理


ダッシュボードが開いたら、受けたい試験を選んでクリックします。
私の場合は「DOP-C01」を選択しました。
※似たような試験がたくさんあるので間違えないように注意してください。

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Peasonダッシュボード


試験オプションで「OnVUE」を選択します。
OnVUEとはピアソンが提供する自宅受験用のオンラインWebシステムで、これを使って当日も試験を受けることになります。

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Peason OnVUE


OnVUEを選択すると試験の準備に関する説明が表示されるので、「次へ」を押します。
私の場合はひとまず予約だけ先に済ませたかったので、システムテストやスペースの確保は後でゆっくり実施しました。

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試験の準備


試験ポリシーが表示されるため、問題なければ全てチェックを入れて、下部にある「次へ」を押します。

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試験ポリシー


試験で使いたい言語を選択しましょう。
私の場合は「日本語」を選択しました。

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試験言語


試験の詳細に間違いがないか確認し、「次へ」を押します。

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試験の詳細


「プロタクター」って聞き慣れない言葉ですが、当日に試験の監視をしてくれる人のことを指します。
やり取りしたい言語を選んで「次へ」を押します。
私の場合は「日本語」を選択しました。

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プロタクター


自分の都合のよい試験日を選びます。

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試験日


時間を選択できるようになるので自分の都合のよい試験時間を選びます。

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日時


カートの中身に問題がないことを確認して、「次へ」を押します。

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カート


AWS認定試験の利用規約を確認したら、「同意します」を押します。

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AWS認定試験ポリシー


「バウチャー・プロモーションコード」の欄に「AWSのキャンペーンページ」で、掲示されているプロモーションコードを入力し、「適用」を押します。
こうすることで1回目が失敗しても2回目がタダのキャンペーンが適用されることになります。

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バウチャー適用


あとは「カードの情報」、「請求情報」の必要欄を埋めて、「次へ」を押します。


最後に、これまで入力してきた内容に間違いがないことを確認して、「予約内容の確定」を押します。
これで予約が確定してしまうので、本当に間違いがないか注意してください。
なお、予約日時の変更やキャンセルは後からでもWebから可能なので、そこは心配する必要なしです。

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もう少しで完了


以下のような画面に遷移し、「予約が確定しました」と表示されていれば予約完了です!

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予約完了

既に試験本番と同等の試験環境が整っている方はそのまま「システムテスト」を押して、チェックしてみてもOKです。
システムテストに関しては次の章で説明します。

予約時の注意点
自宅受験に限った話ではないのですが、間違ったバウチャーを複数回適用すると、アカウントの利用が制限されてしまいます。
(どこかの誰かさんのように・・・)

万が一そうなってしまった場合はこちらに対処方法を書いているので、参考にしてみてください。

試験環境の準備

本家のサイトに従って、以下を行います。

以降、それぞれやったことを説明していきます。

システムテストの実施
こちらのページから、OnVUEソフトウェアをダウンロードして、事前に端末の動作チェックを行います。
試験開始の直前にも同じソフトウェアを使って同様のチェックを行いますが、その時に問題が発覚しても後の祭りなので、事前に本番と同じ条件(端末、回線、場所など)でしっかりとテストしておきましょう。


基本的には画面の指示通りに.exeファイルをダウンロードして実行していくだけなので詳しい手順は省略して紹介します。

全ての機器チェックが通ると下図のように緑のチェックマークが表示され、次に進めます。
上手くいかないという方はこちらの「システム要件」も合わせてチェックしてみてください。

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機器チェック


最後に「シミュレーションを起動」を押せば、実際の試験に即した簡易シミュレーションを行うことができます。

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試験シミュレーション


OnVUE以外の他のプロセスが立ち上がっていると、下図のようなポップアップが出現し、試験が実行できないので全て閉じるようにしましょう。(本番も同様です)

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他のプロセス


簡単なサンプル問題に答えたら、シミュレーションは完了です。
以下の画面まで辿り着ければ、動作環境は問題ないはずなので一安心です!

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試験シミュレーション完了

受験スペースの準備
スペースの条件はこちらを確認してみてください。
要点をまとめるとだいたい以下のようなスペースを準備する必要があります。

  • 静かで邪魔が入らないスペース
    • もし第三者が試験中に映ってしまった場合は失格の可能性あり
    • 鍵をかけられるスペースが理想
  • 余計なものが映らないクリーンなスペース
    • 「参考資料のように見えるもの (付箋、ホワイトボード、黒板など)」は取り除く
    • こちらの記事によるとポスター等があると部屋の移動を支持されるとのこと
  • 安定したインターネット接続ができるスペース

ということで、今回はこの条件をクリアできる理想のスペースとしてお風呂を選定しました!
静かだし、疑わしいものが映ることはないので、うちにクリーンなスペースなんてない!という方には打って付けの空間ではないでしょうか。
(あと、お風呂場にポスターを貼っているという人はまずいない気がしますし。。笑)

<お風呂受験のスタイル>
試験を受ける時はこんな風にお湯なしのバスタブに浸かって、パソコンを操作するスタイルです。

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お風呂スタイル

<実際のお風呂環境>
実際にはこのような環境で試験に臨みました。

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お風呂環境

ポイント:

  • さすがに3時間もバスタブにずっと座っているとお尻が痛くなるのでクッション完備(笑
  • ノートPCを置くための風呂ふたは必須
  • 実はクッションの下にもう一つクッションを敷いて高さを出している
  • LANケーブルとノートPC用の電源ケーブルを引き込んでいる
  • 写真には写ってないが、本番ではBluetoothマウスを横に置いて使った

<インターネット回線>
もう一つ大事な要素としては安定したインターネット回線が必要です。
試験中は常に受験者のカメラ映像が試験官側に配信されていないといけないため、最低でも1Mbpsの帯域が必要とのことです。

帯域幅自体は低いのですが、求められているのは「安定した通信」になるため、無線は非推奨とされており、有線でのインターネット接続が推奨されています。
そのため、今回は万全を期すためにLANケーブルをお風呂場まで引き込んで受験にあたりました。

参考までに回線速度を載せておきます。
FAST.comのサイトで、だいたい3回平均で90Mbpsほどでした。

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回線速度

本人確認書類
本家のサイトの要件を満たす本人確認書類を事前に用意しておきます。

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本人確認書類

私の場合は運転免許証をお風呂場の手元に置いておき、試験開始前にスマホで写真を撮って、ピアソン側に送付しました。

OnVUEにて試験にチェックイン

チェックイン開始
予約時間の30分前からチェックインが可能です。 AWS認定ページから、「ピアソンVUE 試験の管理」にいき、ダッシュボードから「予約済みオンライン試験」の試験を選択します。 「チェックイン」ボタンが出現しているはずなので、それを押してチェックインを開始します。

システムテスト
事前にチェックしたのと同じ流れでシステムテストを実施します。

本人確認書類・作業スペースの写真送付
画面の指示に従って、本人確認書類をスマートフォンのカメラで撮影して提出します。
次に作業スペースの写真を表面、裏面、左側、右側の計4枚、撮影します。

スマホ側でアップロード完了の画面まで辿り着いたら、パソコン側に戻って「更新」ボタンを押します。

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アップロード完了

試験官とチャット
少し待つと試験官側からチャットで質問がくるのでテキストで回答します。
私の場合は以下のようなことを確認されましたが、トータル5分ほどでスムーズに進みました。

  • 部屋の周りをぐるっと一周見せてほしい
  • 手元に何もないか
  • 家には一人で住んでいるか
  • 両腕に何もつけてないか

などなど

試験官から見せてほしいとリクエストがあった所はパソコンを持ち上げて、内臓カメラで映しました。

問題を解く

ここまで来たら、あとはいつもテストセンターで受けているのと変わりありません。
試験ブラウザ上でひたすら問題を解いていきます。
選択肢から回答を選んだり、フラグを付けたり、全く同じUIです。

アンケートに答えて、「合格」の二文字が表示されるのを待ちます。(そうです、あのドキドキの瞬間です)
最後に試験の終了ボタンを押したら、試験終了です!
同時にOnVUEの画面が閉じて、その後は試験官とやり取りすることはありませんでした。

お風呂受験のうまみ・つらみ

うまみ

部屋を片付ける手間がいらない!
部屋にたくさん物を置いていたり、お気に入りのポスターを貼っているとクリーンなスペースを作り上げるのにかなりの労力が必要になりますが、お風呂なら手間いらずで楽ちんです。
実際には見栄えのためにシャンプーやボディソープは片付けたのですが、そちらの方が負担は小さいかと思います。

余計な心配がいらない
騒音や人の出入りを気にする必要がない分、心理的な負担が減ります。
(お風呂の作りや位置によっては例外はあるかもしれませんが・・)

没頭感が生まれる
バスタブという狭い空間に収まっていると自然と安心感や集中力が湧きました。
この辺りは感覚的なものなので人によるかもですが・・・

余談ですが、逃げ恥のみくりさんも最終回にお風呂で作業してたことをふと思い出しました。。笑

何といっても移動ゼロ!
これはお風呂に限らず自宅受験そのもののメリットになりますが、テストセンターへの移動ナシはやはり楽ちんです。
特にコロナウィルス対策で少しでも外出を減らしたいこのご時世にはフィットしている受験スタイルかなと思いました。

つらみ

体が痛くなり、集中力も削られる
クッションで対策していたつもりでしたが、3時間という長丁場だと体勢的に楽ではなかったようです。
問題を解き始めて60分が経過したくらいから腕と腰が疲れてきて、ちょっと集中力が削られた感がありました・・・

私のお風呂環境の場合はこんな感じ。

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お風呂のつらみ

風呂ふたの位置が座面に対して高かったので、パソコンを操作する際に腕と肩の位置が上がってしまい、疲れやすくなってしまいました。
腕の位置が高くなってしまいそうな人は要注意です。

ずっとカメラで監視されていると窮屈
挙動を怪しまれるのが嫌だったので、あまり大きな動きをしないようしていたせいか、ガチガチになってしまって変に疲れました。

ちなみに試験中はカメラに映る自分の顔がずっと上の方に表示されており、最初は気が散ります。。

有線の引き込みがやや手間
お風呂場までLANケーブルを引き込むのが面倒でした。
人によってはルータからお風呂場まで非常に距離があって長いLANケーブルが必要になる可能性があるので、準備できそうか事前に確認してみてください。

あと今回はノートPC用の電源ケーブルを挿すために電源延長コードも引き込んでいました。
途中で電源が落ちたらシャレにならないので、電源は確実に確保しておきましょう。

総論

総論、良かったと思いますし、何より合格の実績ができたので次回からも積極的に使っていきたいと思っています!

ただし、体への負担が小さいお風呂環境に改善できること、または試験時間が長くないという条件付きで!笑
少なくとも今回のように長丁場のテストは体調が万全の時に受けないとかなりキツそうだなーと感じました。

その他

気付き・注意点

試験予約はお早めに
たまたまかもしれませんが、私が予約した時は平日日中帯しか選択肢がありませんでした。
試験日が限られている可能性もあるので、受験される方は早めに確認してみた方がいいかもしれません。

Windows上の常駐ソフトウェアは全停止しておこう
試験中にOnVUE以外のソフトウェアが検知されてしまうと試験ストップになります。
TeamsやZoomはしつこく立ち上がってくるので、タスクマネージャからプロセスごとkillしておきましょう。
私の場合は悪童Windowsアップデートも止めておきました。

職場・仕事用の PCの利用は避ける
ピアソンのページで謡われています。
これはファイアウォール等の常駐プロセスが入っている可能性が高く、ビデオストリーミングがブロックされることを危惧しているようです。

試験中の飲食は禁止
これは当たり前な気がしますが、受験スペースに持ち込むのはやめましょう。
追加のポリシーでは禁止されていますが、元々のポリシーは飲み物だけはOKと書かれているので、以前は大丈夫だったのかもしれませんが。

試験問題を読み上げてはいけない
もしかしたら人によっては問題を読む際につい口ずさんでしまうという人がいるかもしれませんが、そういった人は試験官から注意されてしまうようです。
注意を聞かずに繰り返した場合は失格みたいです。

マスクはつけてはダメ
顔が見えるようにマスクなしでの受験となります。
コロナ禍においては、テストセンターではマスクの着用は必須になっていますので、テストセンター受験とは違う点ですね。

試験ポリシーの詳細

その他、試験で気を付けないといけないことはこちらの「よくある質問」や「追加のポリシー」に書かれているので、一読してみてください。

おわりに

今回の記事ではAWS認定試験をお風呂で受験した際の流れや実際に用意した環境、うまみ・つらみについて紹介しました。

各人の自宅環境によるので必ずしもお風呂がベストな選択というわけではないですが、この記事を一つのきっかけにしてAWS認定試験を受ける人が増えてくれたら幸いです。

以上。